ふるさと納税が注目されていますが、誰でも利用できるのでしょうか。
特に公務員はふるさと納税を利用できるのか、疑問に思った方もいると思います。
公務員のふるさと納税について見ていきましょう。
公務員はふるさと納税できる?自分や家族が公務員の場合の注意点
近年になって、ふるさと納税を利用する人が急増しています。
多くのサラリーマンや自営業者がふるさと納税をすることで、税金の控除や返礼品を受け取るなどの恩恵を受けています。
このふるさと納税は公務員でも利用できるのか、疑問のかたも多いでしょう。
結論から言うと、公務員もふるさと納税ができます。
公務員がふるさと納税をできないと勘違いされやすい理由は、公務員が副業禁止であることと、税金から給与を得ている公務員がふるさと納税の恩恵を受けるのはおかしいのではないかと思われていることにあります。
公務員には、国家公務員法または地方公務員法の副業禁止規定が適用されます。
その理由は、公務員が公共への奉仕を行う職業だからです。
そのため公務員には、職務に専念する義務や守秘義務などが課せられます。
ここで問題になるのは、ふるさと納税が副業にあたるかどうかです。
公務員に禁じられているのは、営利企業への就職や自営です。
例外的に認められる場合もありますが、公務員の仕事に差しさわりのある場合は認められません。
税法上、ふるさと納税は寄付行為に当たります。
ふるさと納税を行うことは営利企業への就職、自営のいずれにも該当しません。
そのため、ふるさと納税を公務員が行うことは法律上は全く問題ありません。
むしろ副業禁止の公務員だからこそ、節税のために積極的にふるさと納税を行っている人もいます。
ふるさと納税が副業に当たるとの誤解が解けてきていることも影響しているでしょう。
また、公務員の給与は税金から出ていますが、そのことと公務員個人の納税とは関係ありません。
節税することによって、結果的に税収が減ることにはなりますが、脱税ではないため、問題ありません。
自分が公務員の場合だけでなく、家族が公務員の場合も同様の考え方ができます。
サラリーマンでも公務員でも、ふるさと納税の適用のされ方に違いはありません。
公務員も、サラリーマンと同様にワンストップ特例制度が適用され、確定申告をせずに税額の控除を受けることができます。
5か所以上の自治体に寄付する場合は、確定申告しなければなりません。
公務員がふるさと納税をすることは法律上は問題ありませんが、自分の住む自治体の税収が減ることに対する後ろめたさはあるでしょう。
自分の自治体にふるさと納税する方法もありますが、その場合は返礼品が受け取れない可能性が非常に高く、あまり利用する人はいないでしょう。
公務員のかたの中には、納税は自分の住む自治体に対して行うべきだと考えている人もいますし、ふるさと納税が過熱することで多くの税収を得ている自治体と税収が激減している自治体とに二極化している現実があります。
本来、ふるさと納税は税収の多い都市部と税収の少ない地方との格差を是正するものでした。
ところが、それがうまくいっている自治体とうまくいかずに苦しんでいる自治体が混在しているのが現状です。
自分の勤める自治体の税収が減っている公務員が、心情的に自分の自治体以外の税収を増やすふるさと納税をするべきではない、と考えるのも不思議ではありません。
ただし、繰り返しになりますが法律的には問題のない行為のため、家族の中で例えば公務員の父親がふるさと納税すべきでない、と考えていても、同じく公務員のあなたがふるさと納税するのは問題ありません。
ふるさと納税は国が推奨する施策です。過去にはふるさと納税が過当競争になっている時期もありましたが、還元率を30%以内にすることや、高額な返礼品を取り扱わないようにするルール作りも進んでいます。
そのため、工夫次第で自分の自治体に税収を増やすことが可能になっています。
もし自分の自治体の税収が減少しているのであれば、地元の特産品を発掘し、積極的にふるさと納税をPRする努力が公務員に求められます。
公務員はふるさと納税でワンストップ特例を利用できる?
ワンストップ特例制度とは、ふるさと納税を行った際に寄付金控除を申し込むための手続きのひとつです。
ワンストップ特例制度を利用できるのは、確定申告の必要がなく、寄付先の自治体数が5自治体までのかたに限られます。
公務員は会社員と同様に、基本的には確定申告の必要がありません。
なぜなら、年末調整により納めるべき税金の調整が行われているからです。
住宅ローン控除や医療費控除などの申請があるかたは、確定申告の必要があります。
公務員はワンストップ特例制度の利用条件に当てはまる場合が多いですが、ワンストップ特例制度を利用できるかどうか不安に感じるとの声もあります。
公務員がふるさと納税を行い寄付金控除を受けた場合、本来納めるべき税金を控除し、ほかの自治体へ寄付することに抵抗を感じる点が多くの理由です。
また、公務員として働き、ふるさと納税の寄付を集めるために様々な工夫を凝らすなか、他の自治体へ寄付をし自分の働く自治体への税金を控除することに、矛盾を感じる点も理由にあげられます。
しかし、公務員がふるさと納税をすることは違法ではありません。
ワンストップ特例制度を受けることにも問題はありません。
自治体で働いていると、その自治体の利益やサービスのみに従事していると感じてしまう傾向にありますが、公務員は日本国民全体にサービスを提供するのが本来の責務です。
そのため、ふるさと納税で他の自治体に寄付をし、働いている自治体への税金控除を受ける行為は責められることではなく、当然の権利です。
一方で、働く部署によってはふるさと納税による税金収入の課題を扱う立場の場合は注意が必要です。
話題にする際には、自身のふるさと納税について話題にできる環境かどうかを見極めてから行う配慮があると心配がありません。
ワンストップ特例制度の申し込み締め切りは、ふるさと納税を行った翌年の1月10日頃に定められています。
マイナンバーの記入や、マイナンバーが確認できる書類の添付等が必要になるため、忘れずに準備しておきましょう。
まとめ
公務員のふるさと納税について見てきました。内容をまとめると以下のようになります。
- 公務員がふるさと納税をしても問題ない
- ふるさと納税は副業ではなく寄付にあたる
- 話題にする時などは慎重にする方がいい
公務員はふるさと納税ができるのかについて見てきました。
ふるさと納税は副業禁止に抵触するものではないため、問題ありません。
とは言え、話題にする際などは一応気を付けた方が無難です。