ふるさと納税は自己負担2,000円を除いて税金から控除がされますが、どのように控除がされるのかよくわからない人もいると思います。

そこでふるさと納税で受けられる寄付金控除のしくみと控除を受ける方法について見ていきたいと思います。


ふるさと納税で受けられる寄付金控除のしくみと控除を受ける方法

ふるさと納税は、寄付をした地域の特産品をもらえるだけでなく、上限額以内であれば2,000円の自己負担分を除いて全額控除されます。

ふるさと納税をすれば、自動的に控除がされるわけではありません。

確定申告を行うかワンストップ特例を利用するかのどちらかの方法で控除を受けましょう。

まずは確定申告の方法を学びましょう。

ふるさと納税は、寄付金控除の一種です。

寄付金控除の方法には所得控除方式や税額控除方式がありますが、ふるさと納税はそのどちらでもない特殊な方法です。

とはいえ、仕組みを理解すればだれでも簡単に控除できます。

確定申告を行うと、ふるさと納税をした金額は寄附金控除となり所得税の計算対象となる所得から控除されます。

また、その確定申告をもとに住民税からも控除されます。

所得税の確定申告を行うだけで手続きは完了です。

住民税からの控除は自動的にされます。


確定申告時に寄付金控除を申告する際の流れ、注意点

確定申告は毎年2月中旬~3月中旬に行います。

還付申告の対象者は、1月から行うことも可能です。

前年1月1日~12月31日までに行ったふるさと納税が、確定申告の対象です。

確定申告には、e-Taxを利用する方法と書類を税務署に提出する方法の2通りあり、どちらの場合でもふるさと納税の控除が受けられます。

ふるさと納税は、「所得から差し引かれる金額」の中の「寄付金控除」の欄に記載します。

書類に直接記載しても良いですが、国税庁のホームページの確定申告書等作成コーナーを利用すると、自動的に計算してくれるので便利です。

ホームページで寄付金控除の欄を開き、まずは寄付金の種類を選びましょう。

「都道府県、市区町村に対する寄付金(ふるさと納税など)」を選び、自治体名を選択すると自動的にふるさと納税が表示されます。あなたが寄付した自治体を選びましょう。

その後、ふるさと納税の金額、寄付年月日を入力します。

自治体の所在地等の情報は、自動的に入力されます。これを、ふるさと納税した回数分繰り返すと、控除される金額も自動的に計算されます。

手書きで記載する場合は、記載ミスに注意しましょう。

特にふるさと納税は、寄付ごとに2,000円自己負担するわけではなく、寄付した合計のうち2,000円自己負担します。

間違えて多く税金を申告しないようにしましょう。

確定申告をすることによって、サラリーマンの場合は所得税の金額が還付されます。

確定申告時に銀行口座を登録し、その口座に数か月後に還付されます。e-Taxを利用した場合は、約3週間後に還付金が受け取れます。

サラリーマンが還付される理由は、すでに給与から所得税が天引きされているからです。

公務員や、アルバイトやパートで給与から源泉徴収されている場合なども同様です。


自営業者の場合

一方、自営業者や個人事業主などが確定申告した場合は、所得税から控除されます。ふるさと納税の所得税分、支払う税金が安くなります。

還付されるかどうかは確定申告時に計算されますので、確認しましょう。

寄付金控除を受けるためには、ふるさと納税をした後に、その自治体から郵送される寄付金控除の証明書を添付して郵送または提出する必要があります。

紛失しないように注意しましょう。

e-Taxを利用する場合は、寄付金控除の証明書の添付が省略できます。

ホームページに記入するだけで控除が行われます。


ワンストップ特例の場合

次に、ワンストップ特例についてです。ワンストップ特例は、給与所得者で確定申告が必要ない人のうち、寄付する自治体の数が5か所以内のかたが利用できます。寄付する度に申告します。

ワンストップ特例は、そもそも確定申告に必要がない給与所得者の負担を減らすために設けられた制度です。

税務署の手続き簡素化も図られています。そして、全額住民税から控除されます。

確定申告とワンストップ特例は併用できません。

すでに確定申告をした場合は、ワンストップ特例は適用されません。

ワンストップ特例は寄付金控除がありませんが、住民税から全額控除されるため、最終的に同額の控除を受けることができます。


ふるさと納税のワンストップ特例で寄付金控除を受ける方法

ふるさと納税をした方が寄付金控除を受けるための方法は二つあります。

一つはワンストップ特例制度、もう一つは、確定申告です。

ワンストップ特例制度を利用するには、まず自分が対象になるかどうかの確認が必要です。

ワンストップ特例制度は、確定申告の必要がないかたが利用できます。

年収2,000万円以上のかたや、医療費控除、住宅ローン控除などの申請があるかた、自営業者や副収入があるかたなど、確定申告が必要な場合は利用ができません。

厳密に言えば、ワンストップ特例制度で申請書を送ることはできますが、後に確定申告をした場合に無効となります。

これは、ワンストップ特例制度の申請より確定申告が優先されるためです。

確定申告をするかたは、ふるさと納税の寄付金控除手続きも確定申告で行いましょう。

そして、ワンストップ特例制度は5自治体以下の寄付までが対象です。

6自治体以上へふるさと納税をした場合は、確定申告での手続きになります。

自分がワンストップ特例を利用できるか確認し、手続きを行いましょう。

もし対象外に関わらず利用した場合、寄付金控除が受けられない可能性があります。

ふるさと納税をした際、ワンストップ特例申請書を同時に申し込むことができます。

基本的には後日自治体から郵送してもらえます。

郵送対応をしていない自治体の場合、自分でダウンロードする必要があります。

また、寄付時に申請書をもらい忘れたり、紛失した場合でもダウンロードすれば入手できます。

ワンストップ特例申請書が届いたら、必要事項を記入して寄付した自治体へ返送します。

電子申請を受け付けている自治体もありますが、非常に少ないです。


マイナンバーの記載が必要に

2016年1月からは、ワンストップ特例申請書の記入事項にマイナンバーの記載が加わりました。

マイナンバー確認書類などの添付が必要なため、忘れずに準備しましょう。

ワンストップ特例申請書の受付は、ふるさと納税を行った翌年の1月10日頃までと期限が設けられています。

毎年締め切り日は前後するため、確認が必要です。

受付期間を過ぎてしまった場合は、確定申告をする必要があります。

年末に急いでふるさと納税をしたかたは、できるだけ早く申請書を送りましょう。

申請書が受理されたかどうかは、自治体より送られてくる受付書で確認しましょう。

また、ワンストップ特例申請書を送った後に住所や氏名などが変更された場合、変更があった旨を届け出る必要があります。

申請事項変更届出書をダウンロードして、申し込み期日までに再度提出することを忘れないよう注意が必要です。

同じ自治体に複数回寄付をした場合は、寄付をする度に申請書の提出をします。合算した金額で申請することはできません。

ワンストップ特例制度を利用した場合、控除されるのは住民税のみとなります。

実際に控除が行われたかどうかは、住民税決定通知書で確認しましょう。


まとめ

ふるさと納税で受けられる寄付金控除のしくみと控除を受ける方法について見てきました。

内容をまとめると以下のようになります。

  • ふるさと納税は寄附金控除により税金が安くなる
  • 確定申告をする場合は所得税が減り、翌年の住民税も控除される
  • ワンストップ特例の場合は、全額翌年の住民税から控除される

ふるさと納税は寄附金控除という控除を受けることで、税金が安くなり、寄付した金額が戻ってきて実質自己負担が2,000円となります。

寄付金控除を申告することで、所得税が減り、翌年の住民税も控除されます。

ワンストップ特例の場合は、所得税の還付はなく、控除金額はすべて住民税から控除がされます。

確定申告かワンストップ特例申請はしていないと控除は受けられないため、ふるさと納税をした年には忘れずに控除を申告または申請するようにしましょう。