ふるさと納税は個人だけでなく法人(会社)でも寄付することができます。
ただし、個人でふるさと納税をする場合とルールの違いや注意点がありますので、法人がふるさと納税をする場合のメリットや注意点について見ていきたいと思います。
法人でふるさと納税をする場合のメリットと注意点
- 法人でもふるさと納税をすることができる
- 個人と法人ではしくみやルールが異なる
ふるさと納税は、その節税効果ともらえる返礼品の還元率の高さから、お得な制度と認識され注目を集めました。
ふるさと納税と言えば、個人による寄付と思われがちですが、法人でもふるさと納税をすることができます。
しかし、個人で行う場合と法人で行う場合とではしくみが全く異なります。
法人がふるさと納税できるようになったのは、2016年の税制改正からです。ここで新たに企業版ふるさと納税が新設されました。
ふるさと納税できる法人
法人がふるさと納税を行うには、いくつかの条件があります。
まず、青色申告をする法人でなければなりません。
寄付金と控除について
ふるさと納税は地方公共団体への寄付として位置づけられています。
そのため、寄付金額は全て経費として認められます。
法人がふるさと納税をして控除を受けるにはいくつかの制限があります。
1度の寄付額は10万円以上であり、その寄付は「まち・ひと・しごと創生寄付活用事業」に関連するものと定められています。
寄付先の自治体は、全国各地どこでも選べるわけではありません。
法人がふるさと納税をする場合、財政豊かな自治体は対象外です。
また、法人の本社が置かれる自治体への寄付もふるさと納税として認められません。
控除が受けられる期間は、2016年4月20日から2020年3月31日までの寄付とされており、その後については制度改正により内容が変わる可能性があります。
控除額
法人がふるさと納税をした場合の税金控除額は、個人で行うものとは異なります。
法人事業税は寄付額の10%、法人住民税は寄付額の15%、法人税は法人住民税で控除できなかった額(法人税の5%、かつ寄付額の10%を限度)とされています。
返礼品について
返礼品を目当てにふるさと納税するかたは多いです。
しかし法人でふるさと納税をする場合は、返礼品をもらうことができません。
これは、法人がふるさと納税をして経済的なメリットを得ることが禁止されているためです。
法人でふるさと納税をするメリット
ふるさと納税によりいくらか控除が認められますが、返礼品はなく自己負担額も多いため、節税上のメリットは低いです。
1番のメリットは、社会貢献ができることです。
財政難の自治体を応援する方法として、活用することができます。
個人と同じような感覚で返礼品目当てや節税目的で、ふるさと納税を活用したい法人には向いていないといえます。
個人事業主から法人化したようなオーナー企業、1人株式会社などは活用したいと考える人も多いですが、その点は残念ですね。
素直に個人でふるさと納税をしてお得に活用していく必要があります。
まとめ
法人でふるさと納税をする場合のメリットや注意点について見てきました。内容をまとめると以下のようになります。
- ふるさと納税をすることで社会貢献ができる
- 返礼品をもらうことはできない
- 税制上のメリットもほとんどない
法人でもふるさと納税をすることはでき、ふるさと納税を通じて地方自治体に寄付をしたり、社会貢献をすることができます。
ただ、個人とは違って返礼品をもらうことはできず、税金の控除もありませんので、経済的なメリットはほぼないと言えます。
とはいえ、ふるさと納税の本来の目的は地方自治体への感謝を込めた寄付だったり社会貢献で、今の個人の返礼品目当てのふるさと納税は趣旨と少しずれています。
法人のふるさと納税は、本来の趣旨通り「地方を応援したい」「ふるさとに恩返しをしたい」人向けの制度になっていますので、地方やふるさとを応援したい会社の人はぜひ活用してみると良いですね。