ふるさと納税はテレビなどでも取り上げられることが多く、興味を持つ方も少なくありません。
この様に、ようやく一般の方にも浸透してきた感のあるふるさと納税ですが、やはりというべきか長所も短所もあります。
そこで今回は、ふるさと納税のメリット、デメリットについてご紹介したいと思います。
ふるさと納税のメリット
お得と話題になっているふるさと納税ですが、実際にどんなメリットがあるのでしょうか。
以下でふるさと納税を行う4つのメリットを紹介します。
自分の好きな自治体の応援ができる
自分の住んでいる自治体ではなくても、ふるさと納税という形で他の自治体を応援することができます。
就職や進学で地元を離れてしまったけど地元を活気づける手伝いをしたい人や、被災地の復興・復旧の応援をしたい人にはもってこいの制度です。
ふるさと納税の寄付は寄付する自治体の税収入となり、各自治体が地域の活性化、復興や復旧にあてることができます。
少額からでも自分の好きな金額で寄付できるのもメリットです。
使い道の指定もでき、子育て支援や環境保全、福祉事業など寄付する人がどの分野に力を入れて欲しいかによって、寄付金が使われる分野を指定して寄付することができます。
税金の控除が受けられる
確定申告やワンストップ特例制度の申請を行うことによって、ふるさと納税で寄付した金額分、住民税や所得税が控除されます。
ただし、自己負担金2,000円が発生することと、控除限度額には注意が必要です。
必ずしも全額控除されるわけではありません。
控除限度額は家族構成にもよりますが、目安はおよそ住民税の一割程度です。
給与収入が500万円だった場合の控除額は、家族構成が独身で61,000円、夫婦と子供であった場合40,000円となります。
詳細は以下のシミュレーションをご覧ください。
控除上限額一覧とシュミレーション:
返礼品がもらえる
ふるさと納税で一番のメリットとされているのが、返礼品がもらえることなのではないでしょうか。
現在では、ほとんどの自治体が寄付金額に応じて多種多様の返礼品を用意しています。
地元の特産品や果物、ブランド肉、お酒だけでなく、電化製品やキャンプグッズなど本当に様々です。
自己負担金2000円以外の寄付したお金は確定申告やワンストップ特例制度の申請を行うことにより税金から控除され戻ってくるため、実質2,000円で返礼品を手に入れることができます。
控除限度額があるため注意が必要ですが、中には自己負担金2,000円で家電が手に入ってしまう方もいます。
各地の特産品や手に入りにくい名物も手に入る
返礼品の中には一般市場では中々手に入らないものが取り扱われていることがあります。
収穫量が極端に少ないために市場に出回らない果物や、水揚げ量の関係で地元で消費されてしまう魚介類、人気が高く常に売り切れのお菓子など、とてもレアな物品が返礼品として取り扱われています。
人気商品で品切れ続出の返礼品や、旬がある返礼品は発送までかなり待たなくてはならないこともあるので注意が必要ですが、ふるさと納税の返礼品ならではの魅力がたくさん詰まっています。
ふるさと納税のデメリットはある?
実質自己負担金2,000円で返礼品が手に入るなど、メリットが大きく取り上げられているふるさと納税には大きな落とし穴もあります。
ここではふるさと納税の4つのデメリットを紹介します。
行政サービスの質の低下
自己負担金2,000円で返礼品がもらえることから、一見お得に見えるふるさと納税ですが返礼品競争の過熱により税収の影響が出ています。
ふるさと納税の返礼品に力を入れている自治体はふるさと納税による税収が増えますが、一方でふるさと納税の税金控除により税収が減る自治体があります。
ここで考えなければならないのが、返礼品のコストです。
返礼品にもお金がかかっており、これは税金から出ています。
日本の自治体全体としてみると、返礼品を買い付ける分の税収が減ってしまっているのが現状です。
本来であれば、自治体が子育て支援や福祉事業などの行政サービスに使うはずであった、ふるさと納税の寄附金や税金を返礼品に使用されているということです。
特定の自治体はふるさと納税の寄付金によって潤うかもしれませんが、日本全体としてみると、行政サービスの質は落ちてしまいます。
さらに現在では様々な自治体がふるさと納税による収入を増やそうとし、他の自治体より良い返礼品を用意しようと採算が取れなくなっている自治体もあります。
ふるさと納税によって返礼品に力を入れていない自治体の税収が激減し、満足のいく行政サービスが受けられないことも増えてきており、本来のふるさと納税の形である「応援したい地域の力になれる制度」ではなくなってきています。
表面上ではお得に見えるふるさと納税ですが、お金の回り方を考えると、大きなデメリットが隠されています。
控除額に限度がある
自己負担金2,000円で返礼品をもらおうと考える場合、控除額に限度があるので注意しなくてはなりません。
収入や家族構成で異なりますが、収入が多いほど控除限度額は上がります。
控除限度額は意外と低く、家族構成にもよりますが目安はおよそ住民税の一割程度です。
給与収入が500万円だった場合の控除額は、家族構成が独身で61,000円、夫婦と子供であった場合40,000円となります。
控除限度額の関係から、一般家庭の収入や家族構成では電化製品などの返礼品には遠く及ばないことが分かります。
収入が多いほど控除限度額が多いため、お金を持っている人が優遇される制度といっても過言ではないというのが現状です。
詳細は以下の控除上限額一覧とシミュレーションをご覧ください。
詳細を見てみる
税金控除の控除手続きが面倒
ふるさと納税による税金控除を受けるには確定申告かワンストップ特例制度の申請が必要です。
確定申告は、翌年の2月~3月に税務署で行います。
ふるさと納税を行ったすべての自治体から届いた寄附金受領証明書と併せて、個人番号確認の書類、本人確認の書類の提示またはコピーが必要です。
ワンストップ特例制度を利用する場合は、確定申告は必要ありません。
ワンストップ特例制度を利用するには、2つの条件があり、元々確定申告をする必要がない給与所得者などであることと、1年間の寄附の回数が5回以内であることです。
ふるさと納税を行った自治体に申請用紙、マイナンバー、本人確認書類の写しを直接送付する方法で控除を受け、ふるさと納税を行う度に申請する必要があります。
慣れれば大したデメリットにはならないかもしれませんが、条件や注意点を合わせたり、必要書類の調達から記入、提出までが慣れるまでは少し面倒に感じるかもしれません。
返礼品がいつ届くかわからない
入金から1週間で届く返礼品もありますが、人気の高い返礼品は半年~1年待ちということもあります。
また、果物などの旬のある返礼品は出荷の振れ幅が大きいので、すぐに欲しい方には注意が必要です。
何月何日に届くということがわからない返礼品が数多く存在するため、不確定な部分が多いこともデメリットの一つです。
まとめ
ふるさと納税のメリット、デメリットの返礼品について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- メリットは税金の控除が受けられ、返礼品がもらえる点
- デメリットは税収の偏りによる行政サービスの低下や控除手続きが面倒な点
- メリットとデメリットを踏まえふるさと納税を活用するべし
ふるさと納税では好きな自治体を応援でき、その自治体の特産品などの返礼品をもらうことができます。
税金の控除も受けることができ、少ない自己負担額で欲しい品を手に入れることが大きなメリットとなっています。
しかし控除の手続きが面倒な点や、自治体によっては税収不足で行政サービスが低下している点など、デメリットもあることを理解しておきましょう。