ふるさと納税を行い手続きを行うと所得税と住民税からの控除が受けられます。

所得税の還付を受け取るためには、確定申告が必要です。

このページでは、所得税の控除計算方法と還付されるタイミングをご紹介します。


ふるさと納税の所得税の控除計算方法と控除額の目安

ふるさと納税 ベルメゾン

ふるさと納税で所得税からの控除があり、還付されるのは確定申告をしたかたに限られます

ワンストップ特例制度を利用した場合には還付されません。

自営業・フリーランスのかたや、ワンストップ特例制度を申請したけれど六つ以上のふるさと納税を行ったかた等は、確定申告が必要です。

ここで気になるのは、所得税からの控除額の金額です。自分の控除額がどのくらいなのか確認してみましょう。


所得税からの控除の計算方法

ふるさと納税 寄付金控除

所得税からの控除額の計算には、ふるさと納税の寄付額と所得税の税率が必要になります。

なお、所得税の税率は課税される所得金額によって5%~45%と大きく異なるため、詳細については以下のURLを参照してください。

所得税の税率(国税庁):
詳細を見てみる

計算方法は以下のようになります。

所得税からの控除=(ふるさと納税額-自己負担金2,000円)×所得税の税率


控除額の目安

課税される所得金額が330万円から695万円以下の場合にふるさと納税30,000円の寄付を行ったとします。

所得税の税率は20%になるので計算式は以下のようになります。

(ふるさと納税額30,000円-自己負担金2,000円)×所得税の税率20%=所得税からの控除5,600円

この例の場合、5,600円が所得税からの控除額になり、指定した振込先に還付されます。

この計算方法を用いて、以下にいくつか控除額の目安を記載します。

家族構成が夫婦と子(16歳以上19歳未満)、年収600万円で控除上限額の目安である60,000円の寄付を行った場合、11,600円の還付

夫婦のみ、年収800万円で控除上限額の目安である120,000円の寄付を行った場合、27,140円の還付

独身、年収300万円で控除上限額の目安である28,000円の寄付を行った場合、2,600円の還付

ここで記載した控除上限額はあくまでも目安であり、細かい家族構成や、配偶者の収入、子どもの年齢などによっても変わってきます

引用した目安は以下のURLに記載されているものですが、このページにかんたんシミュレーションや詳細シミュレーションができるリンクがあるので詳細はそちらでご確認下さい。

控除上限額一覧とシュミレーション(ふるさとチョイス):
詳細を見てみる

所得税からの控除の例でわかるように、ふるさと納税の全額に対して所得税からの控除で還付を受けられる額は少額です。

控除の大部分は住民税から行われるため、合わせて確認するようにしましょう。


ふるさと納税の所得税が還付されるタイミング

確定申告の場合

ふるさと納税の所得税が還付されるのは、確定申告完了後です。

確定申告はふるさと納税をした翌年に行われるため、還付金をもらう時期もふるさと納税をした翌年です。

そして、電子申告の場合と紙で確定申告書を提出した場合とで、還付されるタイミングが異なります。

電子申告をすれば3週間前後、紙で税務署に確定申告書を提出する場合には1~2か月以内で還付されます。

確定申告を提出する時期は、2018年の場合は2月16日~3月15日の間です。

ただし、所得税の還付申告を行う場合は1月初旬から行うことが可能です。

確定申告時にあなたが申請した銀行口座に、直接還付金が振り込まれます

それと同じタイミングに国税還付金振込通知書がハガキで届きますので、正確に還付されているか確認できます。

ここで注意したいのは、確定申告で還付されるのは所得税のみだということです。

ふるさと納税の控除は所得税と住民税に別れ、確定申告を行うと、まず所得税が控除され、その後に住民税が控除される流れです。

そして、還付されるのは所得税のみで、住民税は税金から引かれます。

さらに、還付される対象者は確定申告を行う場合に限られます。


ワンストップ特例を利用して申請した場合

もしワンストップ特例を利用してふるさと納税の控除を申請した場合は、所得税の直接的な還付は一切行われません。

その代り、翌年度の住民税から全額控除されます。

還付される場合、還付されずに税金から引かれる場合のどちらでも控除される金額は同額です。

ただし、銀行口座に還付された方が、早く手元にお金が振り込まれるメリットがあります。

サラリーマンなどの給与所得者が、ワンストップ特例を利用してふるさと納税をすると還付はありませんので、どうしても還付を受けたい場合は確定申告するしかありません。

例えば、サラリーマンのかたが3つの自治体に対して合計30,000円のふるさと納税をしたとします。

その場合は、2,000円の自己負担分を引いた28,000円が控除されます。

その28,000円のうち、確定申告から1~2ヶ月後に28,000円×10%=2,800円の還付金が銀行口座に振り込まれます。

残りの25,200円は、住民税から控除されます。

確定申告をするかたの全てが還付を受け取れるわけではありません。還付ではなく、所得税から引かれる場合もあります。

確定申告書作成時に還付されるかどうかは分かるようになっています。

もしすでにワンストップ特例を利用していても、後に還付金を受け取るために確定申告に切り替えることが可能です。

確定申告を行えば、ワンストップ特例は無効になるからです。


ふるさと納税の確定申告時の注意点

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ふるさと納税をすると、確定申告時に還付または税金の減額が行われます。

しかし、税金の仕組みを知っておかないと、本来受け取るべきお金を受け取ることができなくなってしまいます


自己申告が原則・手続きを忘れずに

まず、自己申告が原則のため、注意しましょう。

ふるさと納税をすれば自動的に控除されると勘違いするかたも多いですが、確定申告またはワンストップ特例制度を利用しないと控除されません。

サラリーマンや公務員などの給与所得者は、通常は確定申告をせずに済むワンストップ特例を利用するでしょうが、5か所より多い自治体に寄付するなど、確定申告が必要になる場合もあります。

確定申告の時期は、2018年の期間は2月16日~3月15日までです。

例年のように締切直前に申告者が税務署に殺到するため、早めの申告を心がけましょう。特に初めて確定申告する人は早めに準備すべきです。

確定申告で申告するふるさと納税の対象期間は、前年分です。

2018年の確定申告の場合、2017年1月1日~12月31日の期間に行ったふるさと納税が対象になります。


控除限度額の確認

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確定申告で控除されるのは、自己負担額2,000円を除いた金額です。ただし、控除される限度額があります

この限度額は、ふるさと納税をするかたの年収や家族構成で異なります。

限度額の目安が総務省やふるさと納税サイトなどのHPに載っていますが、あくまで目安です。正確に計算するには、複雑な計算が必要です。


確定申告の方法

確定申告の方法は、税務署や市町村役場に行って手続きする他に、自宅で行う方法があります。

わからないことは税務署や税理士に問い合わせることも可能です。

自宅で確定申告する場合、インターネットを利用する方法が一般的です。

国税庁のホームページを利用して、e-Taxまたは書面を郵送で提出するかどちらかの方法でできます。

確定申告の計算は、所得や控除によって異なるため、計算ミスが多いです。

ホームページの確定申告等作成コーナーでは、自動的に計算されるため、計算ミスが少なくなります

しかも、一度作成すれば、翌年以降もデータを読み込むことで入力の手間が大幅に省けます。

毎年ふるさと納税を利用する場合は、利用した方が時間の短縮につながります。

郵送で提出する際に、ふるさと納税が行われたことを証明する書類を添付する必要があります。

そのため、ふるさと納税を行った後に自治体から届く寄付金受領証明書を、確定申告の時まで保存しておきましょう。


確定申告後の確認方法

ふるさと納税 おせち

確定申告をした後、ふるさと納税が還付される場合と税金が減額される場合に分かれます。

サラリーマンなどの給与所得者であれば、登録された銀行口座に後日振り込まれます。

一方、自営業者や個人事業主など、確定申告を元々する必要があるかたは、税金の金額から差し引かれます。

確定申告の書類作成時に確認しましょう。

どちらの場合も、確定申告で所得税から控除される金額と、住民税から控除される金額に分かれます。

その合計額が、ふるさと納税額からの控除額になっているか、確認しましょう

所得税の控除額は確定申告時に確認できますが、住民税の控除額は5月以降に郵送される通知書によって確認できます。

ふるさと納税以外の控除を含めた金額が税額控除額の欄に書かれています。

均等割が2,500円程度控除される他、医療控除など各種控除が加わった金額です。

正確な金額を知りたければ、市町村に問い合わせましょう。


ワンストップ特例を利用したい場合

もしサラリーマンや公務員などで、ワンストップ特例を利用したい場合は、ふるさと納税をする自治体を5か所以内にしましょう。

1つの自治体に繰り返し6回以上ふるさと納税をする場合はワンストップ特例が利用できます。

ワンストップ特例制度の対象者なら、ふるさと納税をする都度申請を行うため、確定申告の必要がありません。

ただし、後に確定申告をする義務が生じた場合は、ワンストップ特例は無効になります。

確定申告が必要な例は、給与の年間収入金額が2,000万円を超えた場合や、2か所以上から給与をもらうようになり、2か所目の所得が20万円を超えた場合などです。


海外在住のかたが確定申告をする場合の注意点

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最後に、海外在住のかたがふるさと納税の確定申告をする場合の注意点です。

1年以上の予定で海外に転勤や出向を行った場合は、所得税法上の非居住者に該当します。

非居住者になったら、海外で得た給与所得は原則として日本の所得税はかかりません。

日本在住期間中に得た給与を清算することになります。1年未満の転勤や出向は居住者になるため、通常通りの確定申告が行われます。

居住者でも非居住者でも、確定申告時にふるさと納税は同様に控除されます。

ただし、住民税は考え方が少し違うので、注意が必要です。

住民税は、1月1日時点において住民票がある市町村に対して支払う税金です。

そのため、出国した年の1月1日に日本に住んでいれば住民税が適用され、ふるさと納税の控除を受けることができます。

もし1月1日時点で海外に住んでいて、その後日本に帰国した場合、その次の年の住民税は発生しないため、ふるさと納税の控除も受けることができません。

出国時の事情によって多少条件が異なることもあります。


まとめ

ふるさと納税 お得

ふるさと納税の所得税の控除計算方法と還付されるタイミングについて見てきました。

内容をまとめると以下のようになります。

  • 控除額は寄付額と所得税の税率から計算される
  • 控除限度額の確認は限度額計算シミュレーションを使うと便利
  • ふるさと納税の所得税が還付されるのは、確定申告完了後

ふるさと納税を行い控除を受けるためには手続きが必要です。

確実に手続きを行わなければ、正しく控除が受けられない場合もあります。

控除される金額や手続き方法をしっかりと確認し、お得にふるさと納税を行えるといいですね。